クトゥルフ神話TRPGには、様々な「サプリ」が販売されています。サプリとは、ルールブック本体には書ききれていない、クトゥルフ神話TRPGの遊び方を拡張するような情報が載ったソースブックです。
この記事では、「クトゥルフ2020」を紹介します。
サプリの概要
主な内容
クトゥルフ2020は、現代日本(2020年頃)を舞台にクトゥルフ神話TRPGを遊ぶためのサプリです。7版が登場してから発売されたサプリのため、7版に対応した内容となっています。
2020年最新の職業、2020年までの40年間ほどの歴史的事件の年表などが記載されています。また、キーパーが現代日本をプレイするにあたって、プレイヤーに伝えるべき「物語のトーン」について解説がされています。
7版からキャラシに追加された「バックストーリー」について、現代日本のキャラクターに対してどのようなバックストーリーを書けばいいかヒントも書かれています。クトゥルフ2015にもあったシナリオグラムや、年少探索者の作成方法など、7版を新しく遊ぶにあたっての情報が多く掲載されています。
収録シナリオ
黒い目玉
探索者はそれぞれの理由から街のリサイクルショップを訪れる。すると、店の窓ガラスが何故かペンキで塗られていて、店内は暗くなっていた。裏手でガラスの割れる音が聞こえたため、探索者は裏口から中に入り、様子をうかがうと、突然視界が塞がれる。視界を塞いだのは、黒い目玉だった。
ツチクワの嫁
あるイラストレーターが、発売間近のゲームデータを持ち失踪した。探索者たちは、このゲームデータを取り返してほしいと依頼される。
私には止められない
探索者は、アート作家の夫婦から自宅でのバーべキューに誘われる。そこの畑で奇妙な小像が発見され、アート作家の夫は「太古の芸術だ!」とこれを大いに気に入る。半年後、探索者は奥さんから奇妙なメールを受け取る。
世界を視た男
探索者は、とある画家の画廊に招待される。この画家の絵は、1年ほど前の絵から雰囲気が変わっており、見たものの精神をざわめかせるような何かを秘めていた。突然、画廊に入ってきた女性は焼身自殺を図る。
眠れぬ街の白い顔たち
探索者は、行方不明となった少女を探す依頼を受ける。手がかりとなった動画には、白くなった行方不明の少女の顔が映りこんでいた。
公園の侵略者
放課後、探索者がいつも遊んでいる公園を訪れると、遊具が使用禁止になっていた。探索者は、これが何かの陰謀だと思い、探偵ごっこもとい調査を開始する。
このサプリのオススメポイント
7版対応の現代日本ソースブック
7版で現代日本を遊ぶためのエッセンスが盛り込まれているクトゥルフ2020は、現代日本を舞台に7版で遊びたい人には必須でしょう。
6版対応の、クトゥルフ2010やクトゥルフ2015をコンバートすることで使う事も出来ますが、素直に買った方が便利だと思います。
シナリオグラム
クトゥルフ2015にも掲載されていましたが、シナリオ作成者にとって、強力なツールとなりうるシナリオグラムが今回も収録されています。
また、7版から追加されたバックストーリーに関するヒントも書かれているので、この辺りもシナリオ作成の参考にすることが出来そうだと思いました。
こんな人にオススメ!
7版で遊ぶ人にはオススメです。引き続き6版で遊んでいる人にとっては、そこまで目新しい情報は多くないので、不要かもしれません。
ただ、年少探索者の作成という、これまでは学生までしか作れなかった探索者が年少探索者まで広がるので、6版で遊ぶにしても、コンバートしてみると良いかもしれませんね。
また、7版のシナリオが多く掲載されているので、まだまだ少ない7版のシナリオを多く遊ぶには良いでしょう。
読んでみての感想
現代日本を舞台にしているソースブックと言いつつ、これまで発売されたクトゥルフ2010・2015を土台にして書かれているので、日本に関する情報は2010・2015の方が濃い気がします。
現代日本のデータ集として買うよりは、7版のクトゥルフで遊ぶためのヒントを得られるデータ集の面が強いかもしれません。特に、キーパーガイド・バックストーリーに関する情報が厚いです。
7版で遊ぶ人向けの情報を載せ、シナリオをたくさん載せたソースブックという印象でした。
まとめ
クトゥルフ2020は、現代日本を舞台に遊べるサプリという顔をしつつ、7版で遊ぶ人に向けたデータ集という印象の強いサプリです。
現代日本のデータが欲しい人は、過去に発売されたクトゥルフ2010やクトゥルフ2015を買いましょう。(ただし、その2つは6版なので注意。)
日本で発売されているサプリの一覧と概要は以下の記事をご覧ください。